人事労務ニュース
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文書作成日:2017/08/01

精神障害による労災請求件数が過去最多を更新

 長時間労働や仕事のストレスによって過重な負荷がかかり、従業員が脳・心臓疾患や精神障害を発症するケースが問題になっています。先日、この労災請求状況に関する平成28年度の集計結果が厚生労働省より発表されました。今回は、この内容についてとり上げましょう。

1.脳・心臓疾患の労災補償状況
 脳・心臓疾患の労災請求件数は825件となり、前年の795件から30件増加しました。そして支給決定件数は260件と、前年の251件から9件増加しています。
 医学的に、脳・心臓疾患の発症と時間外労働時間の長さとの関連性については、強いと言われていますが、今年度の支給決定事案(「異常な出来事への遭遇」または「短期間の過重業務」を除く)の内容を見ると、1ヶ月間の時間外労働時間はすべて80時間以上、また2〜6ヶ月間の1ヶ月平均の時間外労働時間はすべて60時間以上となっています。1ヶ月の時間外労働時間だけでなく、2〜6ヶ月の複数ヶ月にわたって慢性的に時間外労働が60時間以上となるような状態は、脳・心臓疾患を発症させる可能性が高くなるため、企業としては、慢性的な長時間労働とならないように、その実態を把握した上で、業務内容や業務分担を見直すなどして対策を取っていくことが求められます。

2.精神障害の労災補償状況
 精神障害の労災請求件数は1,586件となり、前年の1,515件から71件増加し、過去最多となりました(下図参照)。そして、支給決定件数については498件となり、前年の472件から26件の増加となっています。また認定率については36.8%となっており、申請の3件に1件の割合で労災として認定されていることが分かります。

精神障害の労災補償状況の推移

 この支給決定件数を具体的な出来事別に分類すると、上位項目は次のとおりとなっています。

1)(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた 74件
2)仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった 63件
3)悲惨な事故や災害の体験、目撃をした 53件
4)2週間以上にわたって連続勤務を行った 47件

 精神障害の中で労災認定された要因として、1)(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けたといったいわゆるパワーハラスメントと2)仕事内容・仕事量の(大きな)変化が上位にきています。そのため、管理職向けや一般社員向けにパワーハラスメントの研修を定期的に実施したり、異動により仕事の内容が変わったり、同僚の退職などで業務量が増えたりするなど大きな変化があるときには、過重な負担となっていないか面談を行うなど、予防措置が重要となります。

■参考リンク
厚生労働省「平成28年度「過労死等の労災補償状況」を公表」


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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